40万の多言語サイトをサポートする組織の運営はそれ自体が大仕事です。この記事ではサポートの実情や改善施策などをご紹介します。
チャレンジ-40万サイトと7言語の継続サポート
WPMLは世界中の多言語ウェブサイトをサポートします。全ての言語、そしてほとんど全てのWordPressテーマとプラグインを扱っていると言ってもよいでしょう。 物事がスムーズに運んでいる時でも、親しみやすい人によるサポートはいつでも必要です。
クライアントが最もサポートを必要とする場所
サポートは大体、以下のカテゴリーに分類できます。
- 操作手順や方法
- テーマとプラグインのテキストの翻訳方法
- 問題のトラブルシューティング
- 主なテーマやプラグインとの互換性問題
私たちのチャンレンジ:
- 問題に簡単なソリューションがある場合、タイムリーで正確なヘルプを提供する(95%の場合)
- 困難な問題には開発要員を割り当て、対応を確認する
迅速な対応と詳細なデバグを行うためのサポート階層
サポートは階層に分けられます。 これにより大多数のサポートリクエストに迅速に対応し、複雑な問題は注意深く分析し、デバグを行うことができます。
90%の案件を対応する1次サポート-ほとんどのクライントの質問はここで取り扱われるため、彼らは1次サポートの要員しか知りません。 1次サポートは問題の核心を確認し、必要な情報を集め、ソリューションを提供します。 ここではスピードと精度が重要です。 私たちのベンチマークをモニターするのもここです(後に説明します)。
デバグ問題を扱う2次サポート-サポートの幾つかはデバグ作業を必要とします。 例えば、何かがXを実行するはずなのにYが実行される場合です。クライアントの操作は正しいようですが、WPMLの動作は時々正しくありません。そこで問題を再現し、デバグを行います。多くの場合、デバグ作業は誰も気づいていないコンフィギュレーションに問題を見つけるため、クライアントは一時的な対策を提供されます。私たちがバグや互換性問題を特定すると、3次サポ―トに引き継がれます。
3次サポートで互換性問題を解決し、バグを修正 - サポートはコードの中に隠れている修正すべき問題を発見します。 私たちは新機能の作成よりバグの修正や互換性問題を重要視します。 WPMLの3次サポートは通常開発チームにより行われます。 多くの場合、問題を発見するサポーターは修正に深く関わり、クライアントの問題解決を見届けます。
再発問題の分析と製品の改善
ここ何年かの間でWPMLのインストール数は飛躍的に増加しましたが、サポートチームの大きさはあまり変わりませんでした。 その間、顧客の満足度は高まり続け、最初のサポートから解決までの時間が短縮されました。 どうしたらそんなことができるのでしょうか?
オープンシステムを通してサポートチームからのアップデートが開発やドキュメンテーションに頻繁に反映されます。 事実、最近のほとんどの開発はサポートフォーラムから始まっています。 1年ほど前、私たちは多数のクライアントが多言語のインターネット商取引サイトの運用を希望することに気が付きました。 この結果、WooCommerceプラグインやWooCommerce Multilingualの開発に関わることになりました。プロジェクトが進むにつれフィードバックにより、クライアントが最も必要とする機能や、動作を知ることができました。
WooCommerce Multilingualを再開すると多言語インターネット商取引サイトのサポートが激減しました。 同じ質問に何度も答える必要がなくなり、サポートのニーズがなくなったのです。 この記事の執筆時におけるWooCommerceに関する最もよくある質問は拡張機能についてです。 当然のことながら、それが次のWooCommerce Multilingual 開発での優先事項になります。
最近、パフォーマンス改善にも同様な開発が行われました。 サポートが開発チームに頻繁に起こる問題を報告すると、その製品を改善することで皆の満足度を高めることができます。 このためサポートチームには質問に答える以上の仕事があります。 再発問題の理由を分析し、その結果を組織に知らせる役目です。
カスタマーフィードバックによりベンチマークテストを行い、改善を図る
サポートチームは自分達のパフォーマンスをどう測るのでしょうか? 改善し、クライアントの満足度を高めるにはどうしたらよいでしょうか?
ここでカスタマーフィードバックとベンチマークが役に立ちます。
サポートスレッドが解決すると、クライアントは受け取ったサポートに関する感想を聞かれます。 この情報はサポーターごとに記録され、長い間保管されます。
サポーターは他のサポーターと比較した時の自分の成績を見ることができます。 当然のことながら、問題をすばやく、友好的に解決したサポーターは良い評価を受け取ります。 サポーターはデータを確認し、他のサポーターと比較することで、自分の成績と改善点を認識することができます。 この方法は余計な言葉を必要とせず、健全な自己改善プロセスにつながり、クライアントにもサポーターにも恩恵があります。
できるだけ迅速なサービスをクライアントに提供するため、サポート問題が終了するまでの時間も記録されます。
解決に長くかかる場合、原因が調査されます。 上の例では、WordPressの大幅なアップデートが多数のサポート問題を生じました。 この場合、問題はテーマに関連するために、私たちにできることはあまりありません。 サポーターに状況を知らせ、彼らがテーマの問題を効率的に分析できるようにするだけです。 12月には解決までの時間が記録的な短さに戻りました。
トレーニングとプログラム改善
今日のWordPress は複雑な製品です。 WPMLとその全てのコンポーネントはWordPressと同様の規模を持ちます。 サポーターになるためには、かなりのトレーニングが必要です。
新しいサポーターがチームに参加すると、数週間の実地訓練を受けます。 私たちには進化し続けるナレッジセンターがあり、それがトレーニングに使用されます。 非常にベーシックな主題から始まり、 WordPress API と WPML コード構造まで全てを網羅します。
トレーニング期間が終了すると、サポーターは管理モードで仕事を開始します。 サポートスレッドを担当しますが、返答はシニアサポーターによりチェックされます。 これにより確実に改善が行われます。 経験を積めば積むほど、サポーターは自信をもってクライアントに対応できるようになります。 クライアントはサポーターが「新人」であることに気がつかないほどです。
より迅速で効率なネイティブ言語でのサポート
クライアントの問題をより早く解決するためにはコミュニケーションがキーとなります。 サポーターが問題を明確に理解しない、またクライアントがソリューションをよく理解できなければ、解決に時間がかかり、欲求不満がたまります。
現在、私たちのサポートチームは様々な国から来ています。 サポートスタッフはスキル、親しみやすさ、彼らの位置により選ばれます。 例えば北米のクライアントのニーズが高ければ、同じ時間帯である北米と南米でサポーターを募集します。 現在、私たちは1日19時間のリアルタイムのサポートを提供します。中国からアメリカ西海岸までの時間帯を含みます。 ハワイやタヒチはまだ範囲外ですが、将来はカバーされる予定です:-)
現在はヨーロッパ時間で働くフランス語とイタリア語のサポーターを募集しています。ご興味ある方はお問い合わせ及び応募してください。